
食欲不振、保温効果、腸内殺菌作用
韓民族の食卓になくてはならない唐辛子は他の野菜よりもたくさんの糖質とビタミンを含有しており唐辛子特有の辛い味の成分であるカプサイシンは多くの薬理作用と共に人体の新陳代謝を助ける。
風邪の民間療法を見ると熱いもやしスープに辛い唐辛子粉をたっぷり入れて飲んで脂汗をかくというのがある。
これは体が冷たくなってかかる疾患に熱い性質をもった食べ物で寒気を相殺して健康を取り戻すという陰陽の哲学から由来しているようで、冬に遠くまで行くとき足の指を唐辛子で覆って歩くと凍傷を防ぐ効果もあるという。
唐辛子の中のカプサイシンの作用
カプサイシンとは?
唐辛子から抽出される無色の揮発性化合物で、アルカロイドの一種で辛い味を出す成分。薬用や香料としても利用され、唐辛子の種にいちばんたくさん含まれている。
唐辛子の中のカプサイシン- キムチ
唐辛子のカプサイシンは油の酸敗を防いだり、乳酸菌の発育を助ける機能もある。キムチは代表的な乳酸発酵食品だがこの乳酸の作用でキムチの味がさっぱりして人体に有害な病原菌も死滅するというキムチの秘密が研究発表で明らかにされている。
唐辛子粉でその味を出すキムチの栄養はまさに唐辛子のカプサイシンにある。唐辛子のカプサイシンが体脂肪を減らし肥満の予防と治療に大きな助けになるという韓国内の大学研究チームの報告もあり、日本でもカプサイシンを利用したダイエット飲料が旋風的な人気を得て販売されているという内容が1999年食品ジャーナル5月号に紹介されたりもした。
Aカプサイシンを利用したダイエット効果は食欲とエネルギー摂取には影響を与えずにエネルギー代謝と関連した交感神経を活性化して脂肪蓄積を防ぐというものだ。
唐辛子の中のプサイシン- コチュジャン
唐辛子から作るコチュジャンにも肥満予防効果があるという。唐辛子の辛い味は胃酸分泌を促進して消化を助けるが胃腸が弱い人は辛さがむしろ胃粘膜を傷付けることもあるので適度に食べるのがよい。
唐辛子の中のまたほかの栄養素
青い唐辛子が赤く熟していくと色素成分であるカロチンが脂肪酸と結合してカプサンチンに変換されるがこれは体内でビタミンAに変る。ビタミンAは皮膚、粘膜を丈夫にしてくれる。最近ではビタミンAの母体であるベータカロチンの抗癌作用が明らかになり、緑黄色野菜がより注目されるようになった。青い唐辛子もニンジン、トマトに負けずベータカロチンがとても豊富な食品である。ベータカロチンは特に脂肪とよくなじむので料理するときは油を使ったり、脂肪成分が多い材料と一緒にするのがよい。
唐辛子には青果にも適熟果にもビタミンCが多く含まれている。普通ミカンの2倍、りんごの30倍ぐらいの含量である。夏ばてしたとき食べる青唐辛子の一つ二つが疲れをとり活力を与えてくれる理由である。
漢方では唐辛子の痛みを和らげる作用を利用して神経痛や関節痛に唐辛子のお灸を使ったりするが、辛い唐辛子がとりわけ好きでたくさん食べる人は少しぐらいの痛みには鈍感な方である。それだけ唐辛子は人を忍耐強くする。
最近では唐辛子の辛い味が生活の中で様々に活用されている。香辛料やホットソース、防腐剤の原料や鎮痛剤、外用薬等に広く使われている。有機農法でも唐辛子を発酵させて広範囲に渡って害虫防除に使われている。